「ここにもあったよ! ふるさと上鷺宮の万葉花だより(びわ編)」No.40

 今月はびわ。琵琶の開花は、ちょうど今頃から1~2月頃まで 。
冬の花で、あまり目立つことのない白い素朴な佇まいの花。初冬の季語になっています。
果実は梅雨前後に熟し食べごろになります。ビワの種には高濃度のシアン化合物が含まれている場合があり、体内で分解されると猛毒である青酸を発生させるようです。
農林水産省で注意勧告が出されたほどです。これは調べるまで分かりませんでした。
葉は漢方薬としての効能があろようで、ビワ茶、打ち身、捻挫等で葉を患部に当てると熱、痛みがとれる等として知られています。
 楽器に琵琶がありますがこれも気になったので調べてみました。2世紀の中国までさかのぼります。遊牧民が馬上で弾いていた楽器がピパ。それがビワに変化したと言われています。
この楽器が木製のために木偏を付けて「枇杷」と書き、後に琴の一種なので「琴」の冠を使い「琵琶」と書くようになったと。植物のビワが栽培されてきたのは5~6世紀ごろ。
故に楽器の琵琶が先に広まり、後にビワの実の形が、昔からあった楽器の琵琶に似ていることから枇杷と表記されるようになった、と。

枇杷の花 冬木の中に にほえるを この世のものと 今こそは見め  齋藤茂吉
枇杷の花 散りて ツワブキ 今を盛りなり             正岡子規