災害はいつ起こるか分かりません。
どんな状況下でも食事は欠かせませんので、食に関する備えも重要です。

中野区赤十字奉仕団様のご協力により、いざという時に役立つ「サバイバルクッキング」をご紹介させて頂きます。

災害時の温かい食事は有難いものです。また食中毒の予防など衛生面でも効果的です。
調理時間が短く、片付けも簡単ですので、ぜひ普段から体験、練習をしてみてください。

災害時は食事が大事!限られた道具と食材で、衛生的においしく調理する方法

◯災害時は、いつもと違う環境やストレスなどで体調を崩しやすくなります。
○食事は、空腹を満たすことや傷まないことなどを考えて炭水化物に偏りがちですが、
限られた環境の中でも、バランスのとれた食事を意識することは大切です。
○限られた環境の中でも、日頃の食事に近づける工夫を学びましょう。

サバイバルクッキングとは

ここで学ぶ「サバイバルクッキング」とは、ホテルや病院等の大量調理で使われる真空調理法を家庭向けに応用した「パッククッキング」という調理法を使って、限られた環境や道具で衛生的に料理を作るということです。

「パッククッキング」は、油や調味料の使用を少なくし、うまみや栄養素を逃さず味が染みる。煮崩れしにくい。調理時間が短い。片付けが楽。などの特徴があります。在宅介護現場や一人暮らしの簡単自炊などにも活用されています。
ライフラインが寸断され、限られた環境や道具しかない中でも、衛生的かつ簡単に料理をする方法を知っていれば、備蓄品や家にあるもの、配給の食料などを組み合わせて料理をして、健康を維持することができるでしょう。

(1)調理をする時の注意点の工夫

[1]衛生面での注意点(災害時の食中毒予防は、なによりも重要です。)

○手を清潔に
食事の準備や、食事の前には手を洗いましょう。手洗いの水が十分にないときはウエットティッシュなどで手を拭きましょう。
○食べ物を直接さわらない。
ポリ袋やラップなどを活用しましょう。
○生水は飲まない。
給水車やペットボトルの水など、衛生管理のされた水を飲みましょう。
ペットボトルから飲むときは、直接口をつけないようにしましょう。
○鮮度に注意
停電した冷蔵庫に入っていたもの、生もの、食べ残しなどは食べないようにしましょう。
○開封した食品は早めに
消費期限は開封前の期限です。開封後は早めに使い切りましょう。
○なるべく加熱
加熱できる場合は、なるべく加熱してから食べるようにしましょう。

[2]水が十分にない時の工夫

〔調理の工夫〕
○洗い物を減らすために、油料理を少なくし、煮物や焼き物を中心とする。
○キッチンバサミ、ピーラー、スライサーなどで切る。
○まな板の代わりに開いた牛乳パックを活用する。
○乾物はポリ袋の中で、少量の水で戻します。
○混ぜたり、和えたりの作業にもポリ袋を使います。
○フライパンやホットプレートにはクッキングシートを敷いて焼きます。

〔盛り付けの工夫〕
○大皿盛りにして、出来るだけ洗い物を減らします。
○皿の上にラップやアルミホイルを敷いて、食器が汚れないようにします。

〔片付けの工夫〕
○食器や鍋類は水につけ置き、まとめて洗います。
○ティッシュなどで汚れを拭き取ってから洗うと洗剤の量が減らせます。

(2)調理実習
(災害がおこってからではなく、平常時に作り方を習得しておくと安心です。)

○ライフラインが寸断され、限られた環境や道具でも衛生的に簡単に調理して、バランス良く
食事を摂ることが大切です。

○真空調理を応用した調理法は、うまみを逃さず、一度に複数の料理を簡単に作ることができます。

手順)
・ハイゼックス、ポリエチレンの半透明の袋を使用する。(透明だと熱に溶けるのでNG)
・材料を入れた袋の空気を十分抜いて、ハイゼックスの場合は輪ゴムで口を留める。
ポリ袋の場合は、袋の先を直接結ぶ。
・鍋に湯を沸かし、その中で30分炊く。10分蒸らす。
(鍋の場合、弱火で沸点をキープ。電気ポットの場合は98度に設定)

○ポリ袋、キッチンバサミ、カセットコンロ、新聞紙などが役に立ちます。

○乾物や缶詰も活用し、工夫次第でさまざまなバリエーションが広がります。

用意しておくと便利な道具類

【用意しておくと便利な道具類等】
・半透明のポリ袋(高密度ポリエチレン製)
・キッチンバサミ
・ピーラー
・牛乳パック(まな板の代用)
・鍋
・カセットコンロ
・ペットボトルの飲料水

※よくスーパー等に備え付けられている薄いポリ袋が、半透明のポリエチレン製です。
カシャカシャっとした素材のものです。透明のポリ袋は熱で溶けやすいのでご注意下さい。
食品用の半透明のポリ袋(高密度ポリエチレン製)を常備しておくと、いざという時に便利ですよ。

※ハイゼックス製の炊飯袋は、防災用品店などで販売されています。

ご飯の炊き方

米と水(またはお茶)は同量

ポリ袋に同量のお米と水(お茶でも可)を入れ、出来るだけ空気を抜きます。無洗米の場合は水をやや多めに。

ポリ袋の口を結びます

空気が入らないようにねじり、ポリ袋の口の方を結んで、密封します。

鍋にポリ袋を入れて蓋をします

鍋に入れて蓋をします。沸騰したら中火で20分から30分加熱し、そのまま10分保温します。
水の量を増やすことで、柔らかいご飯やおかゆができます。