「ここにもあったよ! ふるさと上鷺宮の花だより(金木犀編)」No.55

 この季節、金木犀は中学生の思い出が強くある。登校の途中に甘い香りの金木犀の木が、あるお宅の庭に咲いていた。それが9月の台風の時期と重なり、幼心に金木犀の印象を、より強くしたのかもしれない。台風に吹き散らかされた金木犀の小さな花が水たまりに浮かんでいた。

この花は中国原産で一般的に桂花と呼ばれるそうだ。和名の由来は樹皮が(サイ)の脚に似ているために「木犀」と名付けられたと。日常生活に定着しているのは芳香剤として特に有名。漢方での薬効も古来より重宝とされる。健胃作用、安眠効果等。日本には江戸時代に渡来。

俳句、短歌で良い作品の著名な方を探していたら、何とシンガーソングライターで各芸術分野で活躍している米津玄師氏の短歌に出会った。丁度、コロナ禍の時期??

秋の夜 マスク外して遠回り 姿見えねど 気配の香り     米津玄師

台風の行方は知らず木犀の 花の黄金の微塵散り敷く    村瀬 廣

木犀の香りほのかに ただよふと 見まわせど 秋の光のみなる  窪田空穂

【戸引】

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