「ここにもあったよ! ふるさと上鷺宮の花だより(つわぶき編)」No.51

 初冬に黄色い花を咲かせる。名の由来は艶葉蕗(つやはぶき=艶のあるはをもった蕗)から転じた説がある。花の少ない冬に開花するので観賞用として重宝される。薬用に解毒、皮膚病、打撲、やけど治療を目的に生薬として用いられる。若いうちに収穫した葉は日本料理の青かいしき(料理の下に敷くもの)として人気がある。私は知らないが…華より葉の形態が珍重される事がある、という。

つわぶきの 花咲き出でて この里も 弱き陽ざしの 冬になりけり 白桂

蝶ひとつ 飛ばぬ日影や ツワブキの花            其角

御手洗や 去れば ここにも ツワブキの花         漱石

本堂へ 橋を懸けたり ツワブキの花            漱石

つわぶきの 黄の花 咲きて そこのみが ほのかに映ゆる 月の灯り

桐落ちて 淋しき庭や ツワブキの花            正岡子規

母我を われ子を思ふ ツワブキの花            中村汀女

山里の 草の庵に 来てみれば 垣根に残る ツワブキの花  良寛

【戸引】

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