2014.01.01 元旦

北鷺町会、上鷺宮地区の皆様。また、このブログをご覧になってくださった皆様。新年あけましておめでとうございます。本年が皆様にとっても良い歳でありますように…。

昨今、新年を迎えるたびに寂しく感じることがあります。それはますます正月の年中行事が姿を消していくということです。そこでこれを確か めるために新年早々、上鷺宮地区を歩いてみました。何に出会うか、と……。新年の年中行事に関して今、息づいているのは門松、輪飾りくらいでしょうか。つい10年ほど前には羽子板の羽をつく音が聞こえました。そうそう、40数年前には、あちこちの畑や空き地で凧揚げに興じる姿がありました。中には 、たたみ一畳位の凧を揚げる長老の姿も見受けられました(上鷺宮1丁目)。さらに60年近く前まで地元の大人のお囃子と子供たちとで獅子舞をしながら 各 家を回り、家人はおヒネリ(紙につつんだお金)やお菓子を渡して獅子が家の中に上り部屋の中を口をパクパク音を立たててまわって新年を祝いました。 時の流れとはいえ、次第に年中行事が消えていくのは寂しさを覚えます。かつて子供から「なぜ新年になると挨拶で、あけましておめでとうございます、 というの?」と質問されました。これはとても重い意味があるのですね。それは「今ここにいる人が無事に1年を越し、新たな歳を迎えられたことを共に慶びあうという(他にいくつかの説もあります)」ということなのですね。Happy New Yearにしても同様の意味もあるのでしょう。この思いは万国共通かもしれません。

そこで新年を迎えるにあたって、この時期に万葉集で歌われた植物との関連を調べてみました。今回は正月を飾る代表的な「千両」に注目しま した。年末から花店に鉢ものとして並べられる赤い実の植物です。冬枯れの庭に可憐な赤い実と、緑の葉の生命力、そして縁起の良い名前。このように お めでたい理由で、今の時期に好まれる植物なのですね。しかし万葉集には該当がありませんでした。諦めきれずさらに調べると、千両の仲間「藪柑子(や ぶこうじ)」=「山橘」を歌いこんでいる万葉集がありました。ご紹介します。

この雪の 消(け)残る時に いざ行(ゆ)かな
山橘(やまたちばな)の 実の照るも見む   大伴家持 巻19  4226

現代語訳 《みなさん この雪が消えてしまわないうちにまいりましょう。山橘(藪柑子)の赤い実が雪に照り輝いている様子を見に行きましょう。》

yabukouji藪柑子=山橘

senryo雪を背景にした千両

 上の2枚の写真は共に上鷺宮1丁目の、とあるお宅のものです。万両、千両、百両、十両(藪柑子)とそれぞれ同類の赤い実の植物があります。 これらは新年に似合う植物ですね。

上鷺宮在住の一古老より